「今の幸せに蓋をせず、
もう一度だけ英語に向き合おう。」
そう決めてから、私の生活は一変しました。
まだ街が眠りの中にいる午前5時。
冷え切った空気の中で、私は一人TOEICの参考書を開きました。
仕事は大学事務の経理、帰ればワンオペ育児と家事。
自分の時間なんて1秒もない中で
睡眠時間を削るしか私に道は残されていなかったのです。
夜、子どもを抱っこして寝かしつけた後は
意識が飛びそうになるのをこらえて、
また机に向かう。
「これだけやったんだから、次は絶対……」
そう信じて疑わなかった1年後。
スマホ画面に並んだ数字は、
残酷なほど1年前と変わっていませんでした。
その日、仕事中にふと一人になった瞬間。
大学の長い廊下を歩きながら、私は立ち止まってしまいました。
窓から差し込む夕日が、やけに眩しくて。
そのまま、涙が出ました。
悔しいとか、悲しいとか、そんな簡単な言葉じゃなかった。
「なんで私は、こんなに頑張ってるのに変われないんだろう」
その気持ちが、胸の奥でずっと渦巻いていました。
周りから見たら、私は十分幸せだったと思います。
優しい夫がいて、かわいい子どもがいて、安定した仕事もある。
大きな不満なんて、何一つない。
でも、それでも。
心のどこかでずっと不安だった。
もし今、何かが変わったら?
もし一人でも生きていかなきゃいけなくなったら?
私は、自分の力だけで立っていけるんだろうか。
「ただの事務員」
「英語もできない」
「特別なスキルもない」
そんなふうに、自分で自分を小さくしていました。
本当は、ずっと怖かったんです。
だからTOEICを始めた理由も、
“自分にも武器がほしい”
ただ、それだけでした。
でも現実は甘くなくて。
独学でやっても、思うように伸びない。
SNSでは高得点者がキラキラ見える。
「毎日コツコツが大事!」と言われても、
その“正しい努力”がわからない。
頑張ってるのに結果が出ないって、本当に苦しい。
気づけば私は、
「自分には才能がないんだ」
そう思い込むようになっていました。
そんなある日。
子どもを寝かしつけたあと、
真っ暗なリビングでぼーっとスマホを見ていたとき
あるTOEICコーチの発信が流れてきました。
そこには
「英語力は才能じゃない。環境で変わる」
そう書いてありました。
その言葉に、私はなぜか涙が止まらなくなったんです。
私はずっと、
“努力が足りない自分”
を責め続けていました。
でも、本当に足りなかったのは、
「正しい環境と正しい学び方」だった。
そこから私は、思い切って環境を変えました。
TOEICのコーチをつけたんです。
正直、怖かったです。
お金がかかる。本当に結果が出るのかわからない。
不安な気持ちでいっぱいでした。
でも、あの時の私はもう、
「変われない人生」に戻りたくありませんでした。
そこから、勉強が少しずつ変わっていきました。
ただ単語を丸暗記するんじゃなく、
イメージで掴めるようになった。
ただ音読するんじゃなくて
文型を意識して音読することでスラスラ英語が頭に入っていく。
英語って、センスじゃなかった。
ちゃんと「仕組み」があったんです。
それまで苦痛だった長文が、
少しずつ読めるようになっていく。
リスニングの音が、
ただの雑音じゃなくなる。
あんなに怖かったTOEICが、
少しずつ「自分にもできるかもしれない」に変わっていきました。
そして…
【テスト結果表示】TOEIC Listening & Reading 公開テスト
と件名に書かれた1通のメール。
スマホ画面を開いた瞬間、
私は声が出ませんでした。
自己最高スコア。
何度も見返しました。
その瞬間、嬉しかったのは点数そのものだけじゃありません。
「私でも変われた」
それを自分自身で証明できたことでした。
母親になって、何もかも諦めていた。
でも変わることができた。
TOEICは、ただの資格じゃありませんでした。
私にとっては、
「どこでも生きていける力」を
自分自身に証明するものだったんです。
英語ができれば、世界が広がる。
働き方も変わる。
出会える人も変わる。
でも何より大きかったのは、
“自分の可能性を自分で否定しなくなったこと”
でした。
昔の私は、
「私なんて」が口ぐせでした。
でも今は違います。
もし今、
「このままでいいのかな」
「何か変わりたい」
そう思っているなら。
その気持ちに蓋をしないでほしい。
英語は、
人生を一瞬で変える魔法じゃない。
でも、
“未来を変えるきっかけ”
になります。
あの頃の私みたいに、
自分に自信が持てなかったあなたへ。
私は、TOEICを通して、
自分の可能性をもう一度信じられるようになりました。
これを読んでくださったあなたも
綺麗事は捨てて。
真剣に自分の人生と
英語と向き合ってみてほしいなと思います。
りこ